Rから始まる四文字の言葉|アカバネ
私にとってSから始まる三文字と同じく、レイプも衝撃的でショッキングな言葉です。
直面するたびに「違う!」と脳の防衛本能が働いて拒絶するのです。
それなしには性被害は語れないのに。
インターコースのように頭の中で別の言葉に置き換えたいと思いながら、言葉を生み出すことを忘れてしまって現在に至ります。
忘れているわけではありません。生み出したくない。
新しいものを生み出したいなら元の「レイプ」のことを観察して意味を掬ったものにしないといけない。
それを分かっていながらもう向き合うことが嫌で嫌で仕方ないのです。
インターコースという言葉を持ち込んでくれたアンドレア・ドウォーキン、すごい。溢れて止まらない感謝。
インターコースは女が自己を守るための言葉。
それに対して、レイプは男を糾弾するための言葉。
それを口にするたび女の尊厳は傷つけられ、ボロボロになっていくのに、それでしか男に「性被害にあった」と分からせられない。
レイプの置き換え言葉が生まれたとしましょう。
それがニュースなどで使われたとして、男が「レイプじゃない=大した被害じゃない」と受け取るのは火を見るより明らか。
「レイプ」ですら男にとっては大した問題ではないのですから。
心が二つに引き裂かれています。
なんで男に理解していただくためにいちいち被害者にならないといけないのかVS男にこれを理解させないでどうするのか。
そしてもうひとつ、女の子自身に気付かせてあげられない。
挿入されていないからレイプされてない、という子に「それはレイプだよ」と教えられない。
「人権侵害」はピンとこない。
「尊厳の破壊」も難しい言葉すぎてわからない。
「性被害」だと自意識過剰と言われて、
「レイプ」は合意だったことにされる。
私のこれはレイプじゃない。レイプに合ってない。レイプってなに?知らない言葉。体験していながらこの言葉を世間が隠そうと隠そうとするからどんどん薄ぼんやりしていく。
私もそうならないようにしたい。
常に考えていたい、考えていたくない。一度理解してしまうとあれもレイプだった、これもレイプだったと心当たりが次から次へと湧いてくる。そしてPTSDへ。
必要なステップなのに良い事じゃない。
自分の中で折り合いをつけていかなければ、という散文でした。
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