「せっかく可愛かったのに!」【魔王】
「せっかく可愛かったのに!」
と大泣きしながら電車に乗り込んできた5歳くらいの女の子が目の前にいる。
何を落としたんだろう、なにかを落としてしまったようで、号泣してる。コートのボタンか、ブローチか、彼女の様子を見ているとそんな感じなのだろうな。
お母さんもやるせなさそうで、私はそれをみて、何も言えずに胸が締め付けられる思いで、レターを書いているのだけど、当の本人は今はけろっと外を眺めて楽しんでいる。
子どもの心みたいに感情がコロコロ変わることが大人に、私に許されていたらいいと思う。
私は大切なものを落とした時、悲しい気持ちを堪えて、自分に言い聞かせてないだろうか。
辛いことがあった時、自分のために、あんなにこの世の終わりみたいに泣けるだろうか。
思い返せばいつだって、声を抑えて泣いて、自分で自分を慰める日々だった。
小さな子供の頃にあんなふうに、お母さんに抱きしめられたかったなと思う。
殴ってたけど抱きしめてくれていたのかな、両立しないで欲しかったな、と久しぶりにおセンチな気持ちになってしまう。
私が今日何か可愛いものを持ってたら、彼女にあげたのにな、とか。
小さくて、泣いている子どもは全部あのときの自分に見えて、私の全てを捧げて、泣かなくていいんだよ、と言いそうになるよ。
いつもは女のことを誰より思うけれど、子どもだって、絶対絶対、泣かないでほしいよ。それが暴力であれ、何か、お気に入りを落としたとて。
おわり。
落としたのは、お気に入りのハンカチだったみたい!
⭐️2/16(日) ネオ東狂・池袋手刀
「超人大集合!池袋ヘビー級王座決定戦!」『The Lilithic Bible – 悪魔教典 -』
TWILIGHT LOVERSより
詳細→
http://tremendous.jp/lilith/
すでに登録済みの方は こちら